シリリンシャの帰還。
やがて。

棒術でルミと武官がかつかつと打ち合う音が響いた。

「シリリンシャの腕もなかなかだと聞いた」と皇子。

「それは誰からです?」

「デイだよ」

「あの娘が!」とシリリンシャは心底驚いた。

「武術を教えてはどうだろう?」と皇子。
「デイには人斬りはムリです。
あの娘は優しすぎます」とシリリンシャ。

「それでも悪くない話だろう?
武芸はナジャ人の嗜みだ」

「で、そのデイは?」

とシリリンシャ。

「さあ。
外で虫取りでもしてるのだろう」と皇子。
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