御坂くん、溺愛しないで。



「笑わないでくださいよ、我慢してたのに」


そんな私を見て御坂くんもおかしそうに笑うものだから、自然と頬が緩みっぱなしだった。

側から見ればふたりして笑い合っているおかしい人かもしれないけれど、笑いは止まらない。



本当に不思議だ。
たった数日でこんなにも笑えるだなんて。

それも御坂くんだからかもしれない。



「今日の昼、楽しみだな」
「えっ、どうして?」

「先輩からもらったお菓子を自慢するためです」
「じ、自慢!?」


そんなの恥ずかしいし目立ってしまう。
せっかく今この場で渡せたというのに。


「自慢はダメです!返してもらいます…!
嫉妬されて終わりだからやだ!」

「嫉妬されるのは俺のほうなんで意味ないですよ」


御坂くんは自分が人気であることをわかっていない。

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