御坂くん、溺愛しないで。
勇気を出して



週末の土曜日。

今日は待ちに待った御坂くんの練習試合が行われる日である。


ずっと楽しみで仕方がなかったけれど、ついにこの日がやってきたのだ。



早起きをした私は、クリーム色のトップスにハイウェストのロングスカートという服装に決めた。

気合いを入れすぎたら浮いてしまうため、自分なりに考えた格好である。


着替え終わるとリビングへ向かい、すでに起きているお母さんとお父さんに挨拶をしようと思ったけれど。


「咲、男の応援に行くのか?」

真っ先にお父さんに今日の予定に対して突っ込まれてしまう。


「お父さん、咲の好きなようにさせてあげなさいよ。男の人が苦手なのに、ようやく見つけた相手よ?」

「えっ、と…」


お母さんには御坂くんの応援に行くと伝えていたため、何も知らなかったお父さんを宥めようとしてくれているけれど。

少し誤解を招くような言い方に引っかかる私。

< 248 / 345 >

この作品をシェア

pagetop