御坂くん、溺愛しないで。
御坂くん、溺愛しないで




私は琴葉と正門前で待っていた。
もちろんその相手は、御坂くんと筧くんである。

御坂くんだけでなく筧くんも活躍していたため、琴葉はとても嬉しそうだった。



「……木原先輩!」

ふたりで先ほどの試合を振り返っていると、私の好きな人の声が聞こえてきたため慌てて反応する。


「御坂くん…!」

御坂くんは駆け足で私の元までやってきて、優しい笑みを浮かべられた。


「お待たせしました、帰りましょう」
「うん…!じゃあね琴葉」

「また明日。ふたりともお幸せにね」

「ありがとうございます。そういえば秀太さんが、すぐに向かうって言ってました」


琴葉は“お幸せに”という恥ずかしいセリフを言ってきたというのに、御坂くんはそれを平然と受け入れていたため私が恥ずかしくなってしまう。

いや、むしろ流していただけかもしれないと思うことにした。

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