恋の駆け引き~イケメンDr.は新人秘書を手放せない~

副院長と秘書

その日の午後、私は病院へと出勤した。

幸い、ボスは会議で外出中。
とりあえず課長に遅くなった報告をし、「大丈夫か」と気遣われた。

「あの、実は・・・」
他に相談する人がいない私は、ボスの提案を課長に相談してみる。

「へー、意外だな」
なぜだか楽しそうに、笑っている課長。
「笑い事じゃありません。困ってるんです」
「ごめんごめん。で、君はどうしたいの?」
え?

「私は・・・」
仕事がはかどるのはとてもうれしい。
同居とは言っても広いお家の一角を借りているような物だし、短い期間ならいいかなと思ったりもする。
でも、もしバレたら怖い。
何しろボスのファンは多いから。

「そうだなあ、真之介の友人としてはいいと思う。総務課長としては勤務時間外のことには口を出さない。そして、娘を持つ父親としては・・・もってのほか。ありえない。相手の男を一発殴ってやりたい。って感じかな」
「はあ」
やっぱり世間的には非常識な行動なのよね。

「結局君次第だ」
「はあ」
なるほど。
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