恋の駆け引き~イケメンDr.は新人秘書を手放せない~
「それで、ここに住むんだよな」
確認するように言うボス。

「もうしばらくお世話になります。なるべく早く出て行きますので」
月末にはお給料も入るし、きっと部屋も借りられると思うから。

それまでは、ボスの言うことを聞こうと決めた。
ボスの機嫌がいいと仕事がやりやすいし、元々先輩達には嫌われていて今更気にすることもないし、それに何より、通勤時間が短ければ仕事をする時間が増える。
何よりもそのことがありがたい。

「じゃあ。これ」
え?

ボスの手にはUSB。

「私にですか?」
「ああ。ただし使うのは病院とこの家限定。変なウイルスが入っても困るからな」
「はい。ありがとうございます」

ヤッター、これがあれば家でも仕事ができる。

「それと仕事部屋に昨日の部屋を使って、寝室は奥を使ってくれ。寝室にはパソコン持ち込み禁止。仕事部屋の使用は12時まで」
「はあ」
「仕事部屋はいつでも勝手に遠慮なく開けるからな。いいね」
はー、そういうことか。仕方ない。
「わかりました」
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