恋の駆け引き~イケメンDr.は新人秘書を手放せない~
「そもそも今日は仕事の一環のはずだろう、何で勝手に逃出すんだ」
「すみません」
やっぱりまずかったんだ。

もしかして、課長も心配してくれたんだろうか。

「で、誰と一緒だった?」
「それは・・・」

ここまで怒られては、絶対に言えない。
先輩に迷惑はかけられない。

「それって、必要ですか?」
「はあ?」
ボスの目つきが鋭くなった。

「いいから言えっ」
・・・。
どうしたの、ボス。

ふー。
1度、大きく深呼吸。

「勝手に抜け出したことは謝ります。すみませんでした。でも、その後誰といたかは言いたくありません。個人的なことだと思います」
言いながら、声が震えないように拳を握りしめた。

「ふざけるなっ。どれだけ心配したと思ってるんだ。どこかで倒れてるんじゃないかって、警察に電話するところだったぞ。もういい。とにかく、反省しろっ!!」
怒鳴るだけ怒鳴って、ボスは部屋に帰っていった。

な、何なのよ。
まるで、帰宅が遅くなった女子高生が玄関先で父親に叱られてる図。
なんとも惨めで、恥ずかしい。

私は靴を脱ぎ捨て、寝室に駆け込んだ。

ベットに倒れ込んだ瞬間、止めることのできない涙が溢れた。
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