素直になれたら
3.二人だけの研修
○名古屋駅・太閤通口(朝)

多くの人が行き交う駅の構内。
銀の時計台の下で、いらついた様子で腕時計を見る相田。
時計の針は7:10。

○名古屋駅構内・中央コンコース(朝)

人混みをかき分けて、走る涙目の心菜。

心菜(信じられない~~~!!なんでこんな日に寝坊しちゃうの!!
お母さん、どうして起こしてくれないの~!!)

○回想   

何度も鳴っている目覚ましを止め、眠そうに目を開ける心菜。
文字盤を見ると飛び起きて、真っ青な顔になる。

心菜(こ、こ、殺される~~~・・・!!)

大慌てで支度をする心菜。

○回想終わり

○名古屋駅構内・中央コンコース(朝)

息を切らして走る心菜。銀の時計台の下で待つ相田の姿が目に入る。

心菜(当然ながら怒ってる~!!)

涙目の心菜、必死でラストスパートをかける。

○名古屋駅・太閤通口(朝)

相田、腕時計から目を上げる。必死の形相で走ってくる心菜の姿が目に入る。
眉をつり上げる相田。
心菜、倒れそうな様子で相田の元にたどり着く。
   
心菜「す、すみませ・・・!」

相田「・・・今、何時だと思ってる」

心菜「は、あ、あの・・・」

汗だくの心菜、時計台の文字盤を見る。

心菜「7時・・・20分です」

相田「そうだ。それで、新幹線の発車は7:25!」

心菜をにらむ相田。心菜、「ひいっ!」という顔をする。

相田「あと5分。行くぞ!」

相田、ヘロヘロの心菜を引きずり改札口へ向かう。

心菜(し、死ぬ~・・・!!)

心菜、必死でついて行く。



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