素直になれたら
○東京スターライトテレビ・スタジオ・中

情報番組の収録中。
スタッフサイドで収録を見学している心菜と相田。
心菜はふいに、相田の横顔をチラリと見上げる。

心菜(この研修中の相田さん、なんか、いつもの相田さんじゃなかったみたいだな・・・。
自分勝手は変わらないし、現場大好きな感じはいつもと同じなんだけど)

相田は、心菜の視線に気づいて心菜を見下ろす。

相田「どうした。気分でも悪いのか」

心菜、慌てて首を振る。

心菜「い、いえ!なんでもないです」

相田は、心菜の様子を窺うような顔をしてから、

相田「ならいいけど。なんかあったら言えよ」

心菜「・・・はい」

相田「まあ、もう少しだからな」

気遣うような口調にドキリとする心菜。
うつむきがちに「はい」と頷く。

心菜(そうだ。基本的なことは変わらないけど・・・なんかちょっと、優しいんだ)

心菜、戸惑っている表情。

心菜(それって研修先だから?
それとも、自分勝手の気まぐれで、ちょっと、優しくしてくれるだけだとか・・・?)

心菜は、混乱した気持ちを抱えながら、目の前の収録現場に目を向ける。


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