独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

 鼓動が耳の奥を圧迫する。真正面から顔を覗き込まれ、瞳の強さに窒息しそうだった。

 たまらず俯いたけれど、すぐさま彼の指に顎を持ち上げられる。

「優梨子」

 形のいい唇から零れた言葉に、胸が跳ねた。

「は、はい」

 震える声で返事をすると、彼はくすりと笑う。

「目、閉じて」

 それは、先に進むという合図だ。

 醸し出されるフェロモンからして、キスだけで終わるとはとても思えない。

 だから、私が目を閉じたらすべてを了承したことになる。キスもその先も。

 私たち、付き合っているんでしょうか?

 確認したいけれど、口にしたら彼が珍しく見せている柔らかさが、一瞬で失われる気がした。

 それは怖い。

 ……聞けない。

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