一夜からはじまる恋
樹の体を湊が抱きしめる。
「答えは今すぐじゃなくてもいい。でも、そばにいることは譲れない。俺からは離れない。絶対に。」
「・・・どうして・・・?」
「好きだからに決まってんだろ。」
耳元でささやくその言葉に樹の心まで湊の熱が移る。

「あの夜から好きだったんだ。・・・もう好きになってたんだよ」
樹の涙は次々にあふれて止まらなかった。


いつの間にかその涙を流したまま樹は眠ってしまった。
そんな樹に布団をかけながらふと樹の胸元に光るネックレスを見る湊。
ネックレスについているサイズの違う結婚指輪。棚の上の写真。
まだまだ分からないことが多い。
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