たとえ叶わなくても
アイスが思った以上に溶けている。


今日は私も本当に溶けそうなぐらい暑い。

部屋のエアコンを稼働させる

22度以下にするとお母さんが怒るけど

早く冷やしたいものだから18度に設定する。







「うわ、色気のかけらもねえ」


懲りずに、また許可なく入ってきては

椅子の上であぐらを組んでアイスを食べる私を見て

ピシッと文句をつけてくる


「うるさいな!早く帰れ!」


「ジャージって寝心地悪くね?」


「部屋着洗濯してるの」




もう少し蓮のことを詳しく説明すると

生まれた時から家が隣同士で

中学校から高校の途中にかけて家庭事情で

違うところへ移り住んだ


それがまた同じ土地に帰ってきて

毎日のようにここへ居座る




「梨沙」という人から電話がかかってくると

「じゃー帰る」と言って本当にあっけなく帰っていく



楽しみに待っている顔をして帰っていく。


私なんてただの踏み台みたい。
< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

静かなライオン - The Quiet Lion-
葵碧/著

総文字数/99

恋愛(純愛)1ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
金色に輝くそのたてがみと 獲物を射抜くような瞳 孤独を隠すその横顔。 無口なライオンは、 私の運命の人だったのかもしれない。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop