似た者同士の恋物語

｢まあ、夏見君はういの事好きなんだろうなって思ってたから違和感はあったんだけどね｣

｢え｣


さらりと付け足されたそんな言葉に
私は目を丸くする


｢ういと一緒で分かりやすいよ
ずっとういの事気にしてたし、目が優しかった｣

｢…｣


だから、あの時うい達をからかったんだよ
と、おかしそうに笑う倖お兄ちゃんに
私は間抜けな顔しか返せない


……
………
……全然、気づかなかった



鴻鳴先輩が
そんなに私を気にして見ていた事なんて



｢恋は盲目ってやつだね｣

｢そう。周りにはもろばれで
本人達だけが気付いてないパターン｣

｢ういちゃん変なところで鈍いからなぁ｣

｢つむぎちゃんには負けるけどね｣

｢ええっ？私、鈍くないよ｣

｢鈍いよ
何年僕の気持ちに気づかなかったんだっけ？｣

｢うっ｣