君のとなりで恋をします。─上─
正直、私も気になってはいた。
でも聞いていのかわからなくて…
彼はいったい何と答えるのか。
私も、柊吾の返答をじっと待った。
しかし返ってきた返事は…
「…それは言えない。」
ただそれだけだった。
…話せないことって……
私の背中に嫌な汗が伝う。
「じゃあ、挑戦だな。」
桜河は、目を伏せながらふっと笑った。
まるで自分を嘲笑するような笑い。
その笑みの奥に隠された彼の気持ちを、この時の私は気づくことが出来なかった。