ひとみ




それは、桜の花びらが舞い散る4月の上旬。



わたしたちが通っている高校の入学式でのことだった。



「夏実!!そっち持て!!」



あたしは部長の五十嵐先輩に怒鳴られながら、昇降口から校門に続く道で、どでかい、汚い、意味が分からない看板を持っていた。



こんなの男が持てよう!



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