【番外編 完】愛を知らない彼
「千花さんも、お疲れ様。今日はもう帰るだけですか?」

「はい。夕飯の買い出しだけして帰るつもりです」

「それなら、一緒に食べに行きませんか?久しぶりに和食が食べたくて。それに、お土産も渡したいし」

「それなら、夕飯はうちで一緒にどうですか?簡単なものでよければ、私が作りますよ」

「えっ」

「あっ、すみません。つい。私、弟がいてたまにうちにご飯を食べに来るんです。だからつい、いつもの感覚で……。やっぱり、どこかに食べに行きましょう」

「いや……お邪魔してもいいですか?すごく嬉しいんですけど」

「はい。神谷さんさえよければ。うち、ここから近いので」

「僕のうちも近くですよ。意外とご近所さんなんですね」

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