【番外編 完】愛を知らない彼

「千花先生」
園長先生に呼ばれて、部屋に入った。

「千花先生、私達は大切なお子さんを預かっています。そこには大きな責任があり、全力で安全を守る義務があります。しかし、その責任は1人の先生に任せられるものではありません。今回の件はタイミングが悪く、園庭の先生が手薄になったことが問題でした。決して、千花先生1人の問題ではありません。私達全員が今回のことを真摯に受け止めて、確実な対策を考えていきます」

「はい。すみませんでした」

「千花先生、怪我をした子のお母さんが、あなたを労わる言葉をかけてくださったのは、普段から先生が一人一人の子どもと真摯に向き合い、愛情を持って接している姿を知ってくださっているからですよ。これからも、千花先生らしさを大切に、子ども達と向かい合ってください」

「園長先生、今回のことは本当にすみませんでした。これからさらに気を引き締めて頑張っていくので、よろしくお願いします」