【番外編 完】愛を知らない彼
番外編2
「俊くーん、こっちだよー」

「まーまー」

「頑張れ、頑張れ!!」



「よし、すごいねえ、俊君。頑張ったね」

私の腕の中にすぽっと収まったのは、康介さんとの間に生まれた男の子、俊介、11ヶ月。

1歳の誕生日を迎える前に歩くようになった俊介。
最近は、私をめがけて歩いてくるのがお気に入りみたい。

ただ、両腕を上げて、まるでロボットのように〝ガシャン、ガシャン〟と聞こえてきそうな歩きは、ひっくり返ってしまいそうで目が離せなくてちょっと怖い。

「俊君、たくさん歩けるようになったね!すごいね!」

今日もたくさん歩いて、ちょっとお疲れかな?

「俊君、少しお昼寝しよっか。起きる頃にはパパも帰ってくるかな?」

土曜日の今日は、本来なら康介さんもお休みのはずだった。
でも、どうしても外せない仕事が入ってしまい、午前中だけ出勤になってしまった。
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