遠因
面白いと思っていた、男からの長い手紙すら読まなくなったのだ。
手紙には、必ず携帯電話の番号と、メールアドレスを記載していたのに、男は一切連絡を寄越さない。
だが手紙をやめ、何年も経った今私は解る。手紙すら続かない女に、遠い相手を思い続けるなんて無理だと自分で思い知らされた事を。男は、私が自分からそう理解するのを待ったのだろう。

久々に男から来た手紙はハガキだった。結婚したと。
私は、未だ読んでいない手紙がある。男がまだ私を愛していた頃の手紙だ。
しかし私には、もう手紙を読めない。読む資格がない。されど、燃やせずに、ただ机の引き出しの奥に仕舞い込んでいる私がいる。
自分の不甲斐なさ、それだけは事実なのに。







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