サヨナラのために


自分勝手な昔の私への後悔が常に、私の胸にはある。


「先輩!俺とご飯行きませんか!?」


パソコンを打ち終わって伸びをする私をキラキラした笑顔が覗き込んできた。


2個下の男の子。私が教育係を任されていて、かわいい後輩だ。


「ん、いいよ、ちょうどお昼どきだもんね」


「じゃなくてっ!夜です!」


「はい文句言わないでさっさと行くよー」


あはは、懲りないなあ、とオフィスの中に笑いが起こる。


ほんと、懲りない。


私なんかの、なにがいいんだろう。


「先輩、彼氏いるんですか」


「いないよ、作る気もないよ」


エレベーターに乗り込んで、1のボタンを押す。


「俺は、美羽先輩を彼女にしたい」


「こら、神野先輩でしょ」


「俺は真剣に言って…」


「私も真剣だよ」


一階に到着して、扉が開く。


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