サヨナラのために
「え、なに、お前神野さんと付き合ってんの?」
ドクン、と心臓が鳴る。
…やめて。
「いや、幼なじみ!妹みたいなもんだよ、なっ?」
無邪気な誠也の顔が、まっすぐ見れない。
「アンタが弟でしょ」
「いってえ!」
思い切り足を踏みつけて、距離を取る。
「あれ?で、そっちの1年生は?」
「あっ…」
話を突然振られて、佐々木さんの顔は簡単に赤く染まる。
「この子は、俺の可愛い後輩!」
優しく佐々木さんの肩に誠也の手が置かれる。
「そっそんな…」
「あれ、もしかして後輩ちゃん、誠也のこと…」
「えっあっ、あの、…はい…」
「なんだよー!やるな、誠也!」
なに、泣きそうになってるの、私。
ギュッと、スカートを握りしめる。
誠也のことを好きだと、堂々と言える佐々木さんを、応援しようって決めたのに。
それなのに、まだ私の体は誠也が好きだと叫ぶ。
胸が、張り裂けそうに痛い。