幼なじみのやめ方
諒はまたしてもため息を吐いた。

「佐藤さんは、私が部長になる前は、仕事をちゃんとしてましたよね?そんなに私が部長なのが気にくわないですか?」

諒は椅子の背もたれに寄りかかると、困ったような顔で唯を見つめた。

その顔はどこが疲れきっているようにも見える。

「えぇ、気にくわないです、すっごく」

唯は満面の笑みでそう言うと、「チェックお願いしますね」と言って、部長席から去っていく。

それを見送った諒は呆れたように息を吐くと、唯から渡されたプリントに目を通し始める。

かなりの量のプリントだ。

「貯めて出すなよ…。量多すぎるだろ……」
< 15 / 170 >

この作品をシェア

pagetop