幼なじみのやめ方
おまけ

*side 希勇

高校時代、根暗で、友達も居なくて、毎日退屈だった。

興味本位で話しかけてくる相手に適当に相槌打って、人と話すって感覚が薄れかけてた高校二年の夏休み前、俺は――――――――佐藤と隣になった。

「―――よろしく」

席を移動させると、佐藤がぶっきらぼうに俺にそう言ってきた。

「―――うん」

佐藤の噂は知ってる。

コミュニケーション能力が無くて、まともに話せるのは幼なじみだけ―――――って。

隣が俺と同じような口数が少ない奴で、内心ちょっとホッとする。

馴れ馴れしく話しかけてくるような奴じゃなくて良かった。

席替えの次の時間は理科だった。
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