短編小説 四ツ葉のクローバー ~今はなき 貴方へ~


私の指のリングを見て奥さんは微笑んだ。

「私の結婚指輪だったの……サイズが合うみたいで よかった

本当に よかった……」

そう言うと 突然意識を失った。



拓也が奥さんに声をかける。

「優子!しっかりしろ  聞こえるか!」

肩を揺すっても反応がない…


 拓也は枕元のナースコールを押した。



その様子を見て夏実ちゃんが、今にも泣き出しそうな顔で私の腕を掴んだ。


『お姉さん 早く行こう!』



< 60 / 72 >

この作品をシェア

pagetop