溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を



 「明日は、久しぶりに休みが一緒になれてよかった。大切な日だからって、何とかして休みにできたてよかったよ。」
 「そんな……当日じゃなくてもいいのに。」
 「ダメだよ。結婚して初めての誕生日なんだから。お祝いしないと。」
 

 椋はニッコリ笑いながら、花霞の頭をポンポンと撫でた。
 明日は、花霞の誕生日。
 椋はしっかりと覚えてくれており、仕事も休みにしてくれた。花霞も栞が気を使ってくれたようで「有休にしてあるからね。」と、休みをくれたのだ。


 「明日は、俺が全部エスコートするから。楽しみにしてて。」
 「うん。楽しみ。」


 自分の誕生日に誰かに祝って貰えるのは、とても嬉しい。もし椋と出会っていなかったらば、花霞は玲と別れて悲しみの中で誕生日を迎えているだろうと思った。
 彼と別れた悲しみさえも取り除いてくれて、そして優しく、誕生日までお祝いしてくれる。
彼には感謝してもしきれない。


 「椋さん、いつもありがとう。」
 「ん?急にどうしたの?」
 「何かお礼を言いたくなって。」
 「………可愛いね、花霞ちゃんは。」
 

 椋は目を細めて微笑み、花霞の髪に触れた。
 何度も髪を撫でて「かわいいかわいい。」と言ってくれる椋に、花霞は照れ笑いを浮かべ、そして彼の肩に頭をのせた。
 少しずつ椋に甘えたい。そんな風に思っていた花霞は少し大胆な事をしているなと感じながらも、それを許してくれる彼に感謝をした。



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