人間サイコロ
「なにしてんだよ。無理に決まってんだろ!」


カズヤがあたしへ向けて叫ぶ。


同時に気分の悪さが悪化したようで、後ろを向くと激しく嘔吐した。


ホナミの体の一部がボトボトと床に落ちて行く。


「だって、ゲームをしなきゃ! ゲームを!」


ホナミの手にコントローラーを無理矢理握らせる。


後はサイコロを振るだけ!


そう、思ったのに……。


不意に、画面上からホナミのキャラクターが姿を消したのだ。


カウントダウンが途中で止まり《ゲームオーバー》の文字が浮かんでくる。


「え……?」


意味がわからず、あたしはキョトンとして画面を見つめた。


「なんで? カウントダウンはまだ続いてたのに、どうして途中で止まったの!?」


あたしの叫びに、カズヤが近づいて来た。


大きく呼吸をしながら、ホナミの前に座る。


そしてホナミの細い手首に触れた。


「……死んでる」
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