人間サイコロ
「ゲーム研究会の倉庫は探しましたか?」


イクヤの言葉にあたしは目を丸くした。


「いや、そこはまだだが……」


「ゲームはプレイ途中で終わってしまいました。もしかしたら、元の場所に戻っているのかも……」


あのゲームには霊的ななにかがとりついている。


そう考えると、元の場所に戻っていても不思議ではなかった。


何が何でもあたしたちに最後までプレイさせようとしているのかも……。


そこまで考えて、ハッと息を飲んだ。


「もし、他の生徒たちがゲームに気が付いてプレイしていたら!?」


1度経験したあたしたちなら絶対にゲームに手を出さない。


だけど、他のゲーム研究会の生徒たちなら興味本位で遊んでしまうかもしれない。


「行ってみよう!」


そう言ったのはイクヤだった。


すでに鞄を肩にかけている。


「でも、イクヤは……」


あたしが止めようとしたが、イクヤの意思は固かった。


「俺だってプレイヤーの1人だ。ユウだけで行かせるわけにはいかない」


こうして、あたしたち3人は学校へ向かう事になったのだった。
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