人間サイコロ
そう考えた時、沢山の手が倉庫のドアに触れた。


そして一斉にドアを押し始めたのだ。


ドアはギッギッと鈍い音を立ててひび割れ始める。


私たちのゲームは完成した、そしてクリアされた。


世界に名を残すゲームが、これで終わる……。


そんな声が聞こえて来た次の瞬間、ドアが音を立てて倒れていた。


同時に倉庫内の土砂が流れだし、あたしの体は一緒になって部室内へと流された。


ドォォォ! と土が流れる音がして、机や棚を次々となぎ倒して行く。


体のあちこちが床や壁、机や椅子などにぶつかり上と下の区別もつかなくなった。


必死で自分の頭を抱きかかえるようにして守る。


やがて土砂の勢いは止まり、あたりは静寂に包まれていた。


そっと顔を上げてみるとゲーム研究会の部室は泥まみれになっていて、モニターやゲーム機があちこちに散乱している状態だった。


「イクヤ!」


あたしはどうにか土砂の中から抜け出して、叫んだ。
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