日替わり彼氏
えっ?
智、ちゃん?
「あっ、僕は浅田真司(あさだしんじ)。火曜日担当の彼氏候補ね」
軽ーい感じで現れた、日替わり彼氏の浅田__くん?
ブレザーを着ているから、高校生だろう。
「智ちゃんと一緒に、登校しようと思って」
「あっ、はい」
「驚かせた?でも火曜日丸一日、僕のもんだからさ」
いたずらっ子のように微笑む真司くん。
その笑顔だけで、すべて許せてしまう。
浅田真司は、それくらいのイケメンだった。
モデル雑誌から抜け出てきたように、なにもかもがキマっている。
ただのブレザーでさえ、見事に着こなしていて、アイドル顔負けのやや濃い目の顔立ちに、茶髪の流れるヘアースタイルが軽さを浮き立たせていた。
日替わりって、こんなにレベル高いの?
「じゃ、行こ」
私の手を取って、真司くんは歩き出す。
歩き出してすぐに繋いでいた手を離した。ちらほらと登校している生徒たちの目を気にしたのか?
そう思ったけど__?
「これで、よしっ」と、手を繋ぎなおした。
指と指がしっかり絡めあって、密着度が高まる。
「やっぱ恋人繋ぎしないとね」