キミ、が欲しい



「え、ハルの出し物終わったの?」



梓がプログラム出してきて見せてくれる。



「星那、拉致られてる間の時間帯だねコレ」



ガーン………中庭でD組の戦隊ヒーローSHOWやったんだ。
小さいお子さまに大層人気だったとか。




「明日も同じ時間にやるから大丈夫だよ」とハルも言う。
でもその後すぐ「明日は俺出ないけど」って一言にブチッと切れた。
それにしても星那可愛かったな〜って、この話終わらせようとしてる?



「おーい、星那?大丈夫?」



俯いたまま動かない私にただならぬ空気を感じたのか、麻衣子たちが焦り出す。
2人はこんな時の私をよーく知ってるから。



「ふーん、山岸くんだっけ?私に誰がどのヒーローになるかはお楽しみに!とかふざけたこと言ったの」



「え、俺…!?言った…かなぁ?」



「言ったんだよ!」



「ヒィ…!!」



かなりご立腹な私を初めて見る男子たちは皆固まっている。



「え、なに?キミたちだけ私の急遽出たショーを見たの?」



「……は、はい!すみません!」



「今日の戦隊ヒーローSHOWに出たメンツ集めて視聴覚室集合」



「……はい!!」



まだ他では模擬店や出し物をしているクラスもあって皆騒いでる。



視聴覚室にて。
もう一度ヒーローの姿に変身してもらって並ばせた。
吹っかけてきただけあって、ほぼ同じ背丈、同じ体型の5人で揃えて来てる。
しかも本格的なコスプレだし。




赤、青、緑、黃、黒のヒーローたち。
同じポーズでジッと立ってる。
ヒントになるので声は出さないとのこと。



で、最後に踊ったダンスだけ見せてくれるみたい。
音楽に合わせてキレッキレのダンシング。
麻衣子たちと笑う。







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