日本一の総長は、本当は私を溺愛している。

「はいはい、俺は、イケメンですよー」



「言ってない!」



「はい、出来たぜ」



あ、忘れてた。



近くのお店のガラスを見ると



三つ編みが流した髪の下を通り
左右の三つ編みを結んである



「う、わぁ!」



う、上手い。



「むっちゃ可愛い」



耳元で囁かる。



え、あ、




いま、なん、て



「可愛いよ桃華」



次は目を見て、しっかりと呟かれる。



綺麗な金髪が目の前に。



綺麗な黒い目も幻想的で



整った顔が近づいてくる。



チュ、



目の前いっぱいに広がる整った目元。



あぁ、眉は黒いんだ。



そんな些細なことに気づけるほど近い。



これ、は、キ、ス



触れるだけの



優しいキス



「好きだよ、桃華。



愛してる。



俺と、付き合って」




離れた美しい顔は



目を見開いてる私に呟く



「え、あ、はい、」



働かない頭は、



自然とその言葉を選び出していた。



「ほん、と?
ほんとに!?桃華!!!」



嬉しいそうな顔が目の前で綻んでいる。



その笑みに自然と笑顔が浮かぶ



あぁ、私



この笑顔に



恋してたんだ。


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