冬 -Domestic Violence-


捜査6課 神野シン
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オオスカワ署に戻った後、

刑事課の桜井課長にお願いして、
取調室を貸してもらった。


椅子に座って待つこと30分。


“ガチャリ”と扉が開いて・・・


「・・・なんですか?」


「まぁ座って。」


相変わらず表情崩すことなく、

むしろ眉間にシワを寄せて不機嫌漂う小泉を俺の前に座らせる。



「こっち側に座るのは初めてなんですけど。」


「逆にしようか?」


「別にいいです。」


「小泉さ、ちょっとこれ手首に巻いてくれる?」


「・・・なんですかこれ?」


「・・・・・・・・。」


「・・これでいいですか?」



「75。」


「・・・?」


「それと連動して、こっちのモニターに今のあんたの脈拍数が表示される。

今は至って正常だな。」


「・・何がしたいんですか?」


「・・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・。」


「今から俺がする質問に、
全て“いいえ”と答えろ。」


「!?」

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