冬 -Domestic Violence-


―――――― 


“中野さん”が“マー君”に変わってから・・


黒くて深い闇に包まれていた私の心が・・

何気ない言葉にも、仕草にも、視線にも喜びを感じていたあの時の私の心が一気に解放された。



「いやぁ・・やっぱりちょっと空気入れすぎた。」


「凄く美味しいよ。でも・・そうだね・・。

大将さんが作るものとはやっぱり少し違うかな・・。」


「ごめんね。いつも練習台みたいに食べさせて。」


「ううん。マー君が作る料理・・全部温かくて好き。」


「レバニラの味付けはどうかな?薄い?」


「これぐらいが私好きだよ。」





ヨーグルトとか野菜ジュースとか。

そんなものが少しだけ入っていた冷蔵庫に、たくさんの食材が入る。


野菜室なんてほとんど空っぽだったのに、

良い物の選び方を教えてもらって、
今では自分一人で買いに行ける。

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