間宮さんのニセ花嫁【完】

永遠の愛を誓えますか?




佐々本飛鳥改め、間宮飛鳥26歳。
偽装ですが新婚生活始めました。


「荷物これだけで大丈夫か?」


私の代わりに服装などが入った大きなボストンバッグを肩に掛ける間宮さん。業者の方々にどんどんと運ばれていく家具など、考えていた以上に大荷物で驚いた。


「すみません、引っ越しのお手伝いまで」

「気にしなくていい。寧ろこっちの都合で悪いな」


住民票などの法的手続きを済ませ、遂に夫婦となった私と間宮さん。その為、私は元々住んでいたマンションを引っ越して間宮家で暮らすことになった。
梅子さんが言うには花嫁修行も兼ねているとのことらしいが、既に花嫁になったというのにまだ修行を続けなければならないのか。

間宮さんの車に服などの荷物を詰め込むと彼の実家へと向かう。助手席でシートベルトを締めていると運転席に乗り込んできた彼と目が合った。


「ん?」

「っ……」


に、偽とはいえ……本当に間宮さんと結婚しちゃったんだなぁ、私。あの間宮さんが旦那様なんて、私は前世でどれだけ徳を積んだんだろうか。
改めてその顔の良さに見惚れていると「忘れ物ないか?」と聞かれ首を縦に振った。


「うちでの生活も忙しくなると思うが仕事もお互いに気を引き締めていこう。仕事もプライベートも頼ってくれて構わないから」

「は、はい……」


理想の上司が理想の旦那様になってしまわれた。


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