間宮さんのニセ花嫁【完】
エピローグ



梅子さんの口から聞かされた言葉に私たち二人は開いた口が塞がらなくなった。


「し、知ってたんですか!?」


私が驚きで上げた大声に彼女は表情は変えず、「何を今更」と、


「あんな嘘、私が信じるとでも思っていたのですか?」

「で、でも今日まで何も言われなかったので」

「呆れて言葉が出なかったんです、偽装結婚なんて大層なことを考えているようなので」


驚愕の事実に驚いているのは私だけなのか、隣に座る間宮さんを見れば彼はこの展開を少しは読んでいたようで私よりも冷静を保っている。
まさか最初から全てバレてしまっていたなんて……じゃあ結局この半年間の私の努力は何だったんだ……


「梅子さんはどうして私たちの結婚が偽装結婚だと分かっていたのに止めなかったんですか?」

「止めましたよ、初めに。結婚は認めないと」

「え、いやでも……」

「しかし貴方たちの覚悟が見えたので様子を見ることにしたんです」


覚悟って、まさか……そう顔を青くしていると彼女が私たちの前に置いたのはあの日に書いた婚姻届だった。
よかった! まだ梅子さんが持っててくれたんだ!


「そ、それじゃああの時これを書かなかったら……」

「勿論、結婚は認めませんし貴方の事は追い出していましたね」

「ひ、ひえ……!」

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