しずくの恋
あの日から、尊敬と憧れと、いろいろな気持ちが入り混じって、

気が付けば流山くんを目で追うようになっていた。


どんなときにも背筋をピンと伸ばして、まっすぐな瞳で前を見ている流山くんは、

大勢のなかにいてもすぐに見つけることができた。


友達とふざけあっているときには
目を細めて周りを包み込むように笑っていて、

その場が沈んでいるときには、
流山くんの言葉がまわりを明るく盛り上げている。


決して目立つ人ではないけれど、
流山くんはいつも友達に囲まれている。



体育のときの流山くんは、

目を輝かせてボールを追いかけたり、走ったりしてるけれど、

朝礼のときの流山くんは少し眠そうにしている。


いつもは黒髪で短髪の流山くんだけれど、

髪が少し伸びると、
雰囲気が柔らかくなってそれもまた素敵だった。


けれど、だいたいすぐに短めにカットされて、

やっぱりサッパリとした黒髪の短髪は流山くんらしくてよく似合ってるな…なんて、

ドキドキしながら見つめていた。

< 27 / 73 >

この作品をシェア

pagetop