腹黒王子の初恋
『お願いします。』
『…いらっしゃいませ!』

 夜のコンビニ。店内には俺以外いない。はー腹減った。今日は生姜焼き弁当とビールだな。レジに並ぶ。

 と違う商品が袋に。

『あれ?それ俺のじゃないです。』

 レジの店員さんに告げる。

『こ、これ私からです。お疲れみたいですから。』

 大学生ぐらいの女の子が顔を真っ赤にして俺をまっすぐ見る。

『え?…もらっていいってこと?』
『はい!』

 はにかんだ笑顔がかわいい。

『ふふっ。ありがとう。ありがたくもらうね。』
『ありがとうございました。私ファンです!これからもお仕事がんばってください。』

『ありがとう。』

 一生懸命なのがかわいくて思わず頭をなでる。

『ひっ!』

 女の子は悲鳴を上げて口に手をあてる。胸元の名札を見た。

『かわいいな。また来るね。Yさん』

 なんだか疲れが飛んで足取り軽く家に向かう。 



 さすがゆうきゅん。バイトの女の子もゆうきゅんにメロメロ。ゆうきゅんの頭なでなでたまんないなぁ。

 あ、ゆうきゅんからまたLIMEが来てた。

 その内容を見て固まる…え?明日?どうしよう…!!
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