晴れた日に降る雨のように
何を言えばいいの?

気づかないうちにできてしまった祐樹との距離が遠くて、どうしていいのかわからない。

仕事での責任、人間関係、いろいろ山積みの問題があっても、笑って冷静に対処しなければいけない毎日で、それでも全力で頑張ってきたが、本当は私の心の中はぼろぼろだった。

【忙しかったの】

それだけをなぜか送ってしまい、涙がこぼれる。

本当は甘やかしてほしい。抱きしめて欲しい。「大丈夫だよ」と言ってほしい。

祐樹の腕の中にいたい。それだけが今の望みなのに、素直な言葉も態度も、荒んでしまった今の私にはできない。

【もういい】

それだけのラインがすでに暗く照明が落とされていた、会社のフロアで明るく光っていた。

一度すれ違ってしまえば、こんなにも簡単に私の心は祐樹を信じられなくなる。

初めから私だけが好きだったのかもしれない。

祐樹はこんなわがままな私など、すでに愛想が尽きたのかもしれない。

静かに零れ落ちる涙を、拭ってくれる温かいぬくもりはここにはない。
< 17 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop