ゲームで巡り合わせた恋物語
「あ〜あ昔遊んでた人もいないし、しのも腕落ちちゃったし、遊ぶ部屋も少ないなぁ…」

ひとりでぶつぶつと呟きながら、RPGの画面を見る。

今は平日の昼間、そりゃあ確かに誰もいなくて当たり前だ。

しのは彼氏と別れ実家に帰ったタイミングで仕事を辞めてニートになった。


……

20歳、春。
しのは精神的な病気を患っていて、精神科に通っている。
病気持ちでニート。
自分を何度も蔑んだ。

……

RPGなんてやってる暇じゃないと思いつつも、病気に理解のある親の手前甘えている自分がいた。

「もっとやすんでいいんだよ」

その言葉に救われながら、いまでもRPGの画面をじっと見つめている。
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