ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
「ミメット姉さん、おはようございます」

「今日もエリナが世話になる……」

 扉を開けてそう言ったふたりは、そのまま口をぽかんと開けた。

「わあ、ルディさん、今朝はお客さんがいっぱいなんですね……」

 狼にしがみついたエリナが笑顔で言った。

「ううむ……なぜ……順番はどうなった……」

 店内には、きちんと制服を着た警備隊のメンバーが、朝食がいつできてもいいように、すでにテーブルについていたのだ。

「隊長、おはようございます!」

「わあ、エリナちゃん、今日も可愛いねえ、さあ、狐のお兄さんだよ、こっちにおいで。朝の抱っこをしてあげる」

 両手を広げてエリナを受け取ろうとしたサファンの尻尾を、虎のキーガスが掴んでひっぱり戻した。

「……子猫に変態行為をすることは……同じ猫族の俺が許さん……」

「ひっど! キーガス、俺をそんな風に見ていたの?」

 サファンが抗議したが、店内からは「俺にも変態っぽく見えたが」「うん、俺にも見えちゃったし。サファンは立派な狐の変態さんだね。あ、褒めてないよ?」「ああ、確かに見えた。俺も同じ猫族として言わせてもらうが、幼い猫に対してそのような振る舞いはやめてもらいたい」と、サファンに追い打ちをかける声があがった。

 ちなみに、発言したのは熊のアルデルン、犬のマイク、そして黒豹のヴォラットの順である。
 どうやら今朝は、警備隊の精鋭が勢ぞろいしてしまったようだ。
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