ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 生姜焼き定食もスカイヴェン国の者たちの口に合ったようで、とても評判が良かった。そこで、ミメットとエリナはしばらくはカツレツ定食と生姜焼き定食の日替わりでやっていくことにした。

 生姜焼きの日には、主食は白いご飯だ。ご飯が大好きなエリナは、厚手の鍋で大量の米を美味しく炊けるようになっていた。
 鍋の底にできる香ばしいおこげも、最初は「変な色をしているな?」と不安げな顔だった客たちの心をしっかりと掴み、今では「俺はおこげ入りで」「俺にも入れてくれよ」とおこげの取り合いなのだ。

「しばらくはこのメニューに集中して、数を多めに提供していった方がいいんじゃないかなって思うんです」

「あたしもそう思うよ」

 ミメットも、腕を組んで頷いた。

「予想以上に評判が良くて、店を開けた途端に食券が終わってしまうからね。警備隊員は1日2名限りにしてもらったけど、それでも売れ行きが良すぎるよ。元々は兄さんが戻るまでのつなぎの営業だったけど、お客さんからこんなに要望があってはがんばらないわけにはいかないね」

「はい。せっかく足を運んでもらったのに、申し訳ないですし」

 ということで、人を雇っての業務拡張はしたくないので、ふたりの猫が力を合わせて定食を提供していくことになった。

 とにかく料理を優先するため、配膳は完全にセルフサービスだ。そして、毎日ルディが顔を出して、料理を食べたくて仕方がない客がトラブルを起こさないようにと目を光らせている。

 毎日最低2名の警備隊員が通ってくるのだから、トラブルを起こそうなどと誰も思わないのだが、子猫の面倒を見るという使命感に溢れた狼隊長は、断固としてこの仕事を辞めようとしなかった。

 まあ、エリナの作った美味しいまかないが食べられる、というのも魅力であったようだが。
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