ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
「それじゃあ、まずこのお肉を細かくするところから始めます。薄く切ってからみじん切りにしたいんですけれど……」

 スカイヴェン国では挽肉を食べる習慣がなかったので、肉をミンチにする道具もない。
 なので、すべて手作りで挽肉を作らなくてはならないのだ。

「念のために、5人分のハンバーグを作りたいんですけど、肉を細かく切るのだけでもかなり大変だと……え?」

「このひとつだけでいいのかい?」

 エリナは、ものすごい勢いで肉を薄切りにしていくミメットの姿を見て、目を見張った。彼女は人間業(にんげんわざ)とは思えない猛スピードで、あっさりと肉の一塊を薄切りにしてしまったのだ。そして、切った肉をささっと整えると今度は端から細く切り、やがてすべてを見事な牛挽肉に変えてしまったのだ。

「さすがはミメットだ。片手剣の扱いも群を抜いているが、包丁さばきも見事だな」

「あはっ、ルディ隊長に誉められると照れるね」

 キジトラ猫のミメットは、てへっと笑って可愛らしく舌を出したが、状況を飲み込めないエリナは頭の中をクエスチョンマークでいっぱいにした。

「片手剣って、ミメット姉さんは剣を使えるんですか?」

 すると、ミメットはふふんと胸を張って言った。

「こう見えてもね、あたしは冒険者ギルドに登録している中堅の剣士なのさ」

「剣士? 姉さんが?」

「ああ、ミメットは若い女性だが、その辺の冒険者ではとても太刀打ちできないほどの使い手だ」

 腕を組んだルディも、太鼓判を押した。
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