ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 考え込んでしまったエリナを、名前が立派でなくてしょんぼりしてしまったのだと勘違いして、ミメットは男3人をギロリと睨みつけた。

「名前が長かろうと短かろうと、それはどうでもいいことだよ!」

 芯が強くて気風(きっぷ)の良いミメットにびしりと言われて、『スカイヴェン』の名の付く男たちは思わず首をすくめた。

 ミメットはエリナを元気づけるように言った。

「エリナ、あたしはただのミメットだよ。でも、『青弓亭』のミメットなんだ。エリナは『青弓亭』のエリナという立派な料理人じゃないか。エリナはこの『青弓亭』に欠かせない料理人だし、この王都にはあんたの料理を求めるお客がたくさんいるんだよ。それは、誇りを持って良いことなんだ」

 その言葉を聞いて、エリナは顔を上げた。

「そうですね、わたしは『青弓亭』のエリナです!」

(そうだ、わたしの居場所はここなんだ。真名とかは気にしないで、『青弓亭』のエリナとして自分にできることに取り組んでいけばいいんだ)

 皆が、エリナを力づけるように頷いた。

「そうだ。エリナはたくさんの人に必要とされている立派な子猫なんだ」

 過保護な保護者のルディがエリナを抱き上げて言った。

「これからも、美味しい料理を作ってみんなに食べさせてくれ。たくさんのお客がエリナを待っているぞ」

「はい! これからもがんばります!」

 子猫は小さな拳を作り、力強く宣言した。
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