ねこねこ幼女の愛情ごはん～異世界でもふもふ達に料理を作ります！～

「俺と弟のフランは、双子として生まれた。祖父殿も父上も弟も狼の獣人なのだが、俺だけはそうではなかったんだ」

「えっ？」

　エリナは、驚きの声をあげた。なぜなら、ルディはモフモフおたくのエリナの目には、狼にしか見えないからだ。

　今も肩から上は完全に銀の毛並みの狼であるルディは、少し笑いながら言った。

「獣人は、身体の特徴を自分の意思で変えることができる」

　ルディは服を脱ぐと、エリナが「きゃっ」と言って顔を手で覆っている隙に狼の姿に変化した。

「このとおり、獣化すると狼の姿になる。そして俺の場合は、もう一段階、本当の姿に変わることができるのだが……」

「ルディさん、大丈夫です。ルディさんの秘密はわたしの真名にかけて決して漏らしません」

　エリナは無意識のうちに、そのような誓いをしていた。ルディは彼女の言葉を聞いて「真名だと？」と眼を光らせたが、そのまま「まあ、あまり他人には話さないでくれれば良い。皆薄々気づいていることだ」と言った。

　そして、ルディの身体が眩い光を放った。

「エリナ、これが俺の真の姿なんだ」