ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
「なるほど。エリナがミメットに料理を仕込んでくれたわけか」

 ミメットのお尻の下から救出された山猫は、ミメットの製造する『外は炭で中は生』という料理の酷さと、そこから王家の御用達になる料理を作れるまでエリナが指導したことを聞いて、彼女の前に屈んで顔を覗き込んだ。

「エリナ、ありがとう。俺の留守にこの店が潰れなかったのは、ひとえにお前のおかげだ。それと、警備隊員の腹の強さと、熱い友情と……」

「エリナがいなかったら、その友情も尽きてしまったかもしれないよ。なんたって、あたしの料理は、それは酷いモノだったからさ、あはははは」

「……ああ。笑いごとじゃないくらいに……酷かったからな……」

 ルディの言葉を「あは、あはははっ」と必死でかき消すミメット。

「とにかくだね、今はたくさんのお客さんに並んでもらえるほどの料理を、あたしたちで出してるんだよ。ってことで、話は明日にして、小さな子猫はもう寝る支度の時間だよ」

「そうだな。寝不足になってエリナが大きくならなかったら大変だ」

 保護者モードになったルディはエリナをひょいと抱えて「ギギリクもゆっくり休めよ。じゃあ、また明日な」と片手を上げて、店を出て行った。
 ギギリクも片手を上げて「また明日……」と言いつつ、ルディの後ろ姿をなんとも言えない顔で見送った。

「……隊長が、子育てか」

「エリナは見かけによらず、しっかりした子猫なんだ。いろんな事情があるみたいなんだけど、あまり子ども扱いはしない方がいいよ。大人並みに頭がいいとみなした方がいいね」
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