ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 顔をひきつらせて涙目になったエリナの顔を、ルディの肉球が両側から押さえて潰した。

「ふにゅうっ⁉︎」

「いいか、よく聞け。俺はエリナのことを家族だと思ってるし、お前がどんな状況になっても責任を持って面倒を見るつもりだ。だから、仕事がなくなるからどうしようとか、悩む必要はない」

「きゃ、きゃじょく?」

「そうだ、家族だ。まだちびっこい子猫のくせにつまらないことを悩むな。働き者のエリナが、好きな仕事をしたいのは応援するし、金のために無理に働こうとするなら止める。はっきり言わせてもらうが、もういい加減、俺に心を許して甘えろ! でないと、フェンリルになってお前を毛の中に包み込み、そこから二度と出してやらないぞ! わかったか?」

「りゅ……りゅでぃしゃん……」

 顔を潰していたふたつの肉球をつかんで外したエリナは、べそをかきながら「ありがとうございます」とお礼を言い、強面隊長だが子猫には滅法甘い銀の狼は、エリナをぎゅっと抱きしめた。
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