ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 開店と同時に、狐のサファンと虎のキーガスがやって来た。

「わあ、隊長ってばもう来てるの? 一番乗りだと思ったのになあ」

 サファンは、立派な狐の尻尾を振った。

「エリナちゃんのごはんを食べるの、楽しみにして仕事してたよ」

「ありがとうございます、サファンさん」

 エリナはぺこりとお辞儀をした。

「うんうん、エプロンを付けた姿がめちゃくちゃ可愛いね。お兄さんは感激だよ、いいこいいこ」

 その時、エリナとサファンとの間に銀の影が割り込んだ。

「余計なことはいいから、普通盛りか大盛りかを選べ!」

 エリナの頭を撫でようと伸ばされたサファンの手は、素早く近づいてきたルディにがっちりと握られた。

「さあ、普通盛りと大盛り、どっちだ?」

「……隊長、俺の手を握りしめて迫って来ないでください」

 狼に両手を握られながら、あと10センチというところまで顔を近づけられたサファンは、自慢の尻尾をピンと立てて恐怖で震わせた。

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