ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
「当たり前だ。俺はお前の面倒を見ると決めたんだからな。何があっても助けてやるぞ」

 子猫の信頼感に溢れる瞳で見つめられたルディは狼の姿に変わり、肉球でエリナの頬をぽふぽふと叩いた。彼女は安心して、嬉しそうに笑った。

「寝るまでここにいてやるから、安心して眠れ」

「はい。おやすみなさい……あの」

「なんだ?」

「手を、握ってもいいですか?」

 ルディは、ベッドに飛び乗ると毛に覆われた前脚をエリナの手にそっと押しつけた。

「ありがとうございます」

 エリナは狼の手を両手で握ると自分の頬に押しつけて「あったかい」と呟いた。

 あの夜、くたくたに疲れきってトラックに跳ねられたエリナは、妖精の計らいで別の人生を歩むことになり、全く知らない世界にひとりでやってきた。
 しかもここは、獣人が住むという、日本とはまったく違う世界だ。

 だが今は、不安などない。
 優しくて強い狼のルディが隣にいてくれる。
 ふわふわした彼の手を握っていると(もうひとりじゃないんだ……)という安心感に満たされて、エリナは幸せな気持ちで眠りに落ちていった。

 

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