身代わり王女の禁断の恋
「え!?」

「すでにお父さまが動いてるわ。
それほど遠くない先に、触れが出るはず。
ミュラー男爵を前コンツェルトマイスターと
しての功績を称え、爵位を上げ、子爵とする
って。
そしたら、あなた達は結婚できるわ。
それを見届けてから、私は廃太子にして
もらう。
だから、安心して。」

いえいえ、安心って…

それって、私に王妃になれって仰せですか?

私は驚き過ぎて固まってしまった。

「フルーナの言いたいことは分かった。
俺にも言いたいことはたくさんあるけど、
今日はやめておくよ。
フルーナが休んで、体調が良くなったら
また来るから、クラウスその時にまた連絡を
くれよ。」

アルフはそう言うと、

「じゃ、クリス、今日はおいとましよう。」

と言って、私の手を取って歩き始めた。

私は慌てて、王女殿下に挨拶をする。

「王女殿下、お会いできて大変嬉しゅう
ございました。
お体をお厭いくださいませ。」

私は膝を屈めて会釈をして、アルフとともに王女殿下の部屋を後にした。
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