身代わり王女の禁断の恋
「瞳の色が多少、王女殿下より青いですが、
ま、疑って見ない限り、気づかない程度
なので、まぁ、いいでしょう。」

クラウスは、私をまじまじと眺めて感想を言った。

「では、今後ですが… 」

「はい。」

私は背筋を伸ばして気を引き締める。

「この王宮内は安全なはずですが、王女
殿下のような事がないとは言えません。
しばらくは、常にユリアと行動をともにして
いただきます。
城内は広いですし、下手にひとりで動くと
迷わないとも限りませんので。」

「………はい。」

王女殿下の命が狙われたということは、私の命も狙われる可能性があるということなんだ…

私は、改めて、大変なことを引き受けたという実感が湧いた。

「あの、伺っても…?」

私は、クラウスに尋ねる。

「何でしょう?」

「王女殿下は、楽器は嗜まれますか?」

「……… ピアノを少々。
しかし、ダンスほどお得意では
ございません。」

ということは…

「私が、ピアノやバイオリンを弾くと、
偽物だとばれる可能性があるということ
ですね?」

「はい。
できれば、ダンスを練習していただけると
助かります。
フルーナ王女は、ダンスの名手として近隣
諸国に名が通っていますので。」

はぁ………

ダンスかぁ…

「踊るより伴奏の方が得意なんですけど… 」

私が思わず呟くと、

「それはさぞかし素晴らしいリズム感を
お持ちなのでしょう。
期待しております。」

と言われてしまった。

これって、嫌味!?
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